TOP > スペシャルインタビュー「世界へ、未来へ、そして子ども達へ。」 > Theme 07ガラパゴス化から、もう一度、グローバル化。~マンガの持つ可能性~
代表取締役社長 堀江信彦 スペシャル対談

マンガ月刊誌の刊行や、時代を見据えたWEBマンガのアプローチ、さらには、海外向けのサイレントマンガオーディションを大成功させるなど、マンガ界の進化・発展に、尽力し続ける日々。

それらに加えて、幾多の人気飲食店をプロデュース・運営し、果てには、地域の人々との交流をはかるために“お地蔵さん”を建立し、「じぞうビル」と一風かわった名前の自社ビルまで建ててしまう。

極端なまでに広範にわたる挑戦。それらはすべて、シンプルにマンガへの、そして子ども達への深い愛情にもとづいたものだったーー。
(2013年5月13日収録)

Theme 07

ガラパゴス化から、もう一度、グローバル化。~マンガの持つ可能性~
「会社をつくって13年経った今、また次のステップに行く時」

ーーでは最後に、改めて、堀江社長が考えるマンガの可能性を聞かせてください。

堀江:アジアだけで考えても、やはりその可能性っていうのは、とてつもなく大きいんだよね。今回の『SILENT MANGA AUDITION』でも500を超える作品の応募があったけど、インドネシアだけでも100編にものぼりました。先日、実際にインドネシアに行ってきたんだけど、人口は日本の2倍で、子どももたくさんいます。少子化なんかまったくないからね。

ーーマンガ文化も発展しつつあるんですか?

堀江:そうだね。ただ、描き手がいても、編集者がいない現状があったりする。それは韓国なんかでも同じだね。インドネシアで言うと、大学の進学率を考えても、ちょうど今、昭和30年代くらいの日本の感じ。だからインドネシアに限らず、アジアは今からどんどん伸びていく。マンガが伸びていく可能性なんて、いくらでもありますね。

ーーその発展に寄与し、お手伝いをしていく……。

堀江:マンガの世界で考えると、日本は本当に進んでる。日本で生まれて、その後、独自に進化していって、ガラパゴス化したわけ。それはそれで良かったんだけど、ガラパゴス化はもうよくて、次はもう一度グローバル化だよね。以前は、日本のマンガは世界的に高い評価を受けていたんだけど、今、海外では「日本のマンガはつまらなくなった」って言われている。それはガラパゴス化したものを、そのまま持っていっちゃってるからね。

ーーもう一度グローバル化。少年誌を扱ってきたコアミックスの使命ですね。

堀江:そうだね。日本という国はマンガの持つ力や可能性にもっと気付くべき。小説の賞を開催して、世界中から500もの作品が集まるかっていうと、絶対に無理なんだから。そこに早く気付かないと、大変なものを見失ってしまうんじゃないかな。会社つくって13年経った今、また次のステップに行く時です。そう思って、舵を切っているところだね。構成・文/雨森武志 写真/政所優介

堀江信彦
堀江信彦
堀江信彦

編集者として、「北斗の拳」をはじめ数々の作品を生み出し、週刊少年ジャンプが最大発行部数653万部を達成したときに編集長を務めた。
その後、雑誌『メンズ・ノンノ』や『BART』編集長を歴任。
2000年6月(株)コアミックスを設立、代表取締役に就任。
原作家、脚本家として作品を作ると同時に、編集者の育成に携わり、作品の質の向上に力を入れている。
(株)ノース・スターズ・ピクチャーズ代表取締役社長を兼任。

1955年 8月17日生。
1979年 集英社入社。
1993年 「週刊少年ジャンプ」編集長就任、史上最高部数を記録。
2000年 集英社を退社し、コアミックス設立し社長就任。
2001年 「週刊コミックバンチ」創刊、編集長就任。
2009年 「カフェゼノン」開業。
2010年 「週刊コミックバンチ」休刊、「コミックゼノン」創刊、編集長就任。